政府は野党と環境団体などの反対が根強い済州(チェジュ)海軍基地を一部技術的な補完作業を経て、予定通りに建設する方針を示しました。
政府は29日、政府中央庁舎で金滉植(キム・ファンシク)国務総理も出席する国家政策調整会議を開き、クルーズ船の入港ができるかどうかで論議が続いている済州特別自治道西帰浦(ソギポ)市カンジョン村の軍民複合型の港の建設を予定通り2015年完成をメドに建設を進めていくことを決めました。
済州海軍基地の建設事業は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権の2007年に始まったものの、反対世論で難航し、李明博政権が発足した直後の2008年9月、海軍と民間が共同で使う港として建設計画を変更し、これまで17%ほど進んでいます。
この海軍基地をめぐって、海軍は「済州島近海は内外の民間船舶が往来する重要な航路で、韓国の海洋主権を確保する意味でも欠かせない」としているのに対して、地元住民や環境団体などは、「海軍が地元住民の意見を無視し、環境を破壊する工事を強行しようとしている」と反発しているうえに、今の設計では15万トン級のクルーズ船の入港・出港ができないという指摘も出ていました。
これについて政府は総理室傘下の技術検証委員会が設計を検討した結果、今の設計でもクルーズ船の入港・出港は可能だとして、今後、技術的な補完作業を経て工事を本格的に進める方針にしたものです。
このため建設に反対している野党と環境団体などの今後の対応が注目されます。