福島第一原発事故を受けて、世界各地で原発への不安が広がるなか、韓国で最も古い古里(コリ)原子力発電所1号機ですべての外部電源が喪失する事故が1か月ほど前に発生しました。
原子力安全委員会によりますと、古里原子力発電所の運営会社「韓国水力原子力」が、先月9日午後8時頃、釜山市にある古里1号機の点検中に外部電源からの電気供給が止まり、非常発電機すら作動しない状態が12分間、続いたということです。
古里1号機の原子炉は定期点検のため停止状態でしたが、炉心の温度は高く使用済み核燃料の貯蔵プールとともに冷却が必要な状態だったということです。
ただ韓国水力原子力は、事故の報告を1か月後の今月9日に原子力安全委員会に届け出ており、原子力安全委員会は、13日になってようやく現場に調査団を送り込み事故の原因究明に乗り出しました。
古里原子力発電所1号機は、2008年に30年の設計寿命が終わり、その後運転がさらに10年延長されましたが、去年4月に電力系のトラブルで稼動が停止しており、安全性を懸念して閉鎖を求める声があがっています。