中国で脱北者支援活動をしていた韓国人3人が、3月末に、中国の公安当局に逮捕され、身柄を拘束されていることが分かりました。
韓国の北韓人権団体「北韓民主化ネットワーク」が14日、明らかにしたところによりますと、この団体の研究委員、金永煥氏(49)を含む韓国人3人は、3月29日に遼寧省大連市などで中国公安当局に逮捕され、残りの一人は、逮捕直前に逃げましたが、パスポートの入ったカバンを置いたままにしたため帰国できず、中国国内に止まっているということです。
4人は、遼寧省瀋陽市で北韓脱出住民を韓国に送る活動を続けていたことから、中国公安当局から「国家危害罪」または、「出入国法違反」などの容疑が適用された模様です。
このため瀋陽総領事館の職員が先月26日、金永煥氏と面談するとともに、身柄解放に向けて中国側と交渉を続けているということです。
逮捕された金永煥氏は、1980年代に北韓朝鮮労働党の公式政治思想「主体思想」の理論家として知られる人物で、1991年に北韓を訪れ、金日成主席と会談したことがありますが、1990年半ば以降は北韓住民の人権改善や民主化運動に取り組んできました。