ソウル行政裁判所は25日、放送通信委員会に対して、去年12月1日に一斉に開局した大手新聞社によるケーブルテレビの総合編成チャンネルについて、事業者選定の過程で特恵がなかったかどうかを調べるため、審査記録など各種の資料をすべて公開するよう命じました。
ソウル行政裁判所は25日、言論改革市民団体が放送通信委員会を相手取って起こした情報公開拒否処分取り消し請求訴訟の判決で、審査委員の個人情報を除く事業者選定の過程や、投資者現況を把握できる各種の資料を全部公開するよう命じました。
判決は、「放送通信委員会法は、会議内容を公開することを原則としており、事業者選定をめぐって不適切な出資があるのではないかとする国民の疑惑を解消させるためにも情報公開は必要だ」としています。
判決によって、放送通信委員会は言論改革市民団体が要求した放送通信委員会全体会議の会議録、審査委員会の会議録、審査資料の全部、主要株主出資現況など合わせて7つの情報を公開することになりました。
言論改革市民団体は、「この情報公開によって、保守系新聞社の朝鮮日報、東亜日報、中央日報が、李明博政権とどのように癒着し、企業に対して出資の圧力をかけたかなどが明白になる。そうなれば、総合編成チャンネルの存立の根拠はなくなる」としています。
韓国では、報道、教養、娯楽など多様な番組をバランスよく提供する総合編成の放送は、KBS、MBC、SBSの地上波放送の事業者に限られていましたが、李明博政権に入って、新聞社や大企業による放送事業への参入制限を緩和するメディア関連法の改正案が2009年7月に与党単独で国会で可決され、その後、免許を申請した大手新聞社など6社のうち、保守系新聞社の朝鮮日報、東亜日報、中央日報、それに毎日経済新聞社の4社に認可が与えられました。