韓国の先端軍事装備と技術を北韓に渡そうとしていた貿易業者2人が国家保安法違反の疑いで今月上旬、警察に逮捕されました。
逮捕されたのは、北韓との貿易を行っている74歳と56歳の男性2人です。
2人は、去年7月、中国丹東で北韓の工作員と推定される40代男性の指令を受けて、韓国の軍事機密を収集し、北韓に渡していた疑いが持たれています。
2人は、以前韓国の防衛企業の代表を務めていた男性などに接近し、韓国のGPS技術を無力化できる電波かく乱設備など、先端の軍事情報を入手していたことが警察の取り調べでわかりました。
また、敵の攻撃の動きを早期に観測できる対空網の整備に不可欠な高空観測レーダ技術を渡そうとした疑いも持たれています。
2人は、1972年にスパイの罪で無期懲役を言い渡され、18年間服役した後も考えを変えず、1990年の仮釈放で出所した非転向長期囚であることが警察の取り調べでわかりました。
公安当局は、2人が北韓に技術を実際に渡したのか、先月首都圏地域で起きた北韓によるGPSかく乱が今回の技術流出と関係があるのかなどについて捜査しています。
公安当局はさらに、2人が弾道ミサイルの位置を追跡するためのアンテナ技術を北韓に流出させた状況も捕捉しているもようです。