殺菌剤を入れた加湿器を使っていた妊産婦や乳幼児が原因不明の肺疾患で死亡していた問題で、死亡した人の多くが化学物質に敏感な子どもと妊娠可能な年齢の女性であることが、学会の調査でわかりました。
韓国環境保健学会はこのほど、去年4月から先月まで受け付けられた加湿器殺菌剤が原因の被害届け95件について実態調査を行い、その結果を11日、発表しました。
それによりますと、加湿器殺菌剤が原因となって31人が死亡していました。このうち子どもは65%、妊娠可能な年齢の女性は26%で、この2つのグループを合わせると、全体の90%を占めていました。
また加湿器殺菌剤が原因で肺疾患になった場合の死亡率は33%に達し、症状が現れ始めてから死亡にいたるまでの平均期間は2か月半と、短いことがわかりました。
政府は、去年11月、加湿器殺菌剤による被害者34人のうち、10人が死亡したと発表していますが、これは病院で被害が確認された症例だけを調査の対象としていることから、今回の学会の調査に比べると対象件数は3分の1に過ぎません。
このため今回調査を行った韓国環境保健学会は、政府に対して対象を広げて調査し直すよう求めています。
また加湿器殺菌剤だけでなく、芳香剤や洗浄剤などほかの化学物質についても危険性がないかどうか調査する必要があるとしています。