韓国の全世帯の平均所得と比較した高齢者の所得がOECD=経済協力開発機構加盟国の中で、最も低い水準であることがわかりました。
国民年金研究院が3日まとめた韓国の高齢者の所得の実態に関する報告書によりますと、OECDによる去年の所得不平等に関する統計を分析した結果、韓国の高齢層の所得水準は、全世帯の平均所得の66.7%に止まっており、OECDに加盟している30か国の中で、最下位のアイルランドに次いで2番目に低くなっていたということです。
全世帯の平均所得と比べた高齢層の所得水準が最も高い国は97.1%のメキシコで、次いでオーストリア、ルクセンブルグ、ポーランドなどの順となっており、日本は86.6%でした。
国民年金研究院は、韓国の高齢者の所得水準が低い理由について、老後の所得を保障する公的年金制度がまだ十分整備されていないためと分析しています。
高齢者の所得水準が比較的に高いフランスの場合、高齢者世帯の所得に国民年金や生活保護費などを含む公的な移転所得が占める割合が86.7%となっているのに対し、韓国は15.2%に過ぎません。
一方、韓国の高齢者の労働所得が全体に占める割合は58.4%で、30か国平均の2.7倍に上っています。
さらに、2000年代半ばの韓国高齢者の貧困率は45.1%で、OECD加盟国の中で最高となっています。
国民年金研究院は、「韓国の高齢者は公的年金の受給者が少なく、受給額も少ないため、引退した後も生計を立てるために働き続けなければならない状況だ」と述べました。