原子力安全委員会は4日、ことし2月にすべての電源が失われる事故が起き、稼動が停止していた釜山の古里(コリ)原子力発電所1号機について、稼動停止命令を解除しました。
原子力安全委員会は4日、原子力発電所の運営に関して審議・議決する最高機関である安全委員会の会議を開き、ことし2月に停電事故が起きていたことがわかり、3月13日から稼動を停止させていた古里1号機の稼動停止命令を解除しました。
原子力安全委員会は、先月、古里1号機に対してIAEA=国際原子力機関が 安全性調査を行った結果、「安全に対する認識には問題があるが、発電所設備の状態そのものは良好だ」という評価を受けたと明らかにしました。
原子力安全委員会はまた、「停電事故の一つの原因となった非常発電機の補完作業も終わり、非常発電機は正常に稼動している。技術の面では、古里1号機に安全性の問題はないため、稼動停止命令を解除した」と説明しました。
原子力安全委員会が稼動停止命令を解除したことで、古里1号機の再稼動は、古里原発を運営している韓国水力原子力と知識経済部が判断することになりましたが、古里1号機の安全性を懸念して再稼動に反対する世論が強いことから、直ちに再稼働を開始する可能性は低いものとみられています。
古里1号機は、30年の設計寿命を超えて稼動していましたが、ことし2月に整備中に電源喪失が発生したもののこれを隠蔽しようとしたことがわかり、3月から稼動が停止され、古里 1号機の永久閉鎖を求める声が高まっています。