三星電子とアップルが特許権の侵害をめぐって韓国で繰り広げていた訴訟合戦で、事実上三星電子が勝ちました。
ソウル中央地方裁判所は24日、三星電子がアメリカのアップルを相手取り、特許侵害の禁止と損害賠償を求めた訴訟で、「アップルが三星電子の特許2件を侵害した」として、三星電子の主張を一部認める判決を言い渡しました。
裁判所は、アップルに対し、三星電子に4000万ウォンの賠償金を支払い、スマートフォン「iPhone4」やタブレット端末「iPad1」「iPad2」など関連製品の販売を中止し、廃棄処分するよう命じました。
現在販売されている「iPhone4S」と「iPad3」は販売禁止の対象に入っていません。
裁判所は続いて、アップルが三星電子を相手取って起した訴訟で、三星電子がアップルの特許1件を侵害したとして、三星電子に対し、アップルに2500万ウォンを賠償し、ギャラクシーS2などの販売を中止し、廃棄処分するよう命じました。
裁判所は、三星電子がアップルのインターフェース技術1件を侵害したことが認められると判断しましたが、三星電子がアップルのデザインを模倣したというアップルの主張は退けました。
今回の判決で、販売禁止が言い渡された両社の製品は、いずれも古いモデルで、両社の売り上げには大きな打撃はないものとみられます。
ただ、三星電子による侵害が認められたアップルの特許は、すでに三星電子の新製品では使われなくなっているものであるのに対し、アップルによる侵害が認められた三星電子の特許は、携帯端末の製造に不可欠な通信技術であり、後続の機種にも使われているため、今後三星電子に有利な判決となりました。
三星電子は去年4月、アップルがアメリカの裁判所に三星電子を提訴したことへの対抗措置として、アップルのスマートフォン「iPhone」とタブレット端末「iPad」がデータ分割伝送などに関連した自社の特許を侵害したとして、ソウル地方裁判所に提訴しました。
これに対し、アップルも去年6月、三星電子のスマートフォンとタブレット端末が自社のデザインとユーザーインターフェースの特許を侵害したとして、ソウル地方裁判所に訴訟を起こしていました。