旧日本軍の慰安婦だった高齢の女性たちの生活施設、「ナヌムの家」は28日、野田首相や石原慎太郎東京都知事、橋下徹大阪市長、それに国会議員ら合わせて724人に、「ナヌムの家」と付属施設の慰安婦歴史館を訪問するよう要請する招待状を送りました。
招待状は元慰安婦の女性たちがこれまで心理療法として描いた絵に基づく絵葉書となっており、日本語で「慰安婦被害者の歴史が息づいている「ナヌムの家」を訪問していただきたい。慰安婦の歴史について語り合い、生存しているおばあさんたちと食事もしながら互いに疎通できる機会になることを願っている」という趣旨の文章が書かれており、訪問者の身辺の安全も保障するとしています。
ナヌムの家が野田首相をはじめ日本の政治家に訪問を要請したのは、最近、野田首相が参議院で「日本軍慰安婦を強制動員した証拠はない」と述べるなど、強制動員を否認するような発言が相次いでいることがきっかけになりました。
元慰安婦の女性たちに代わって招待状を作成したナヌムの家のアン・シングォン所長は「被害者の真実と名誉回復のために切実な思いを込めて招待状を送った。21世紀の韓日パートナーシップの発展と世界の平和という観点からも被害者が生存しているうちに、問題解決に乗り出すべきだ」と強調しました。
京畿道(キョンギド)広州(クァンジュ)市にあるナヌムの家には、現在、80代半ばの高齢の元慰安婦女性8人が共同生活を送っており、付属の慰安婦歴史館には年間日本人3000人あまりを含めて1万人が訪問しています。