先月27日、慶尚北道(キョンサンブクド)亀尾(クミ)市の化学製品工場でガスのフッ化水素酸が漏れた事故で、これまで病院で治療を受けた住民はおよそ400人に上っています。
フッ化水素酸は、吸い込むと呼吸器や骨の組織を損ね、神経系を乱す有害ガスで、治療を受けたのは、事故現場に出動した消防士や警察官、近くに住む住民などおよそ400人が、その危険性を知らずに、マスクなどをつけないまま現場周辺に近づいたものです。
また近くの畜舎の牛1300頭は事故の後、鼻から出血するなどの呼吸器疾患が確認されたほか、果樹園と稲の田んぼは完全に枯れてしまうなど、被害は事故翌日に把握された分の3倍以上に増えています。
さらに事故現場から半径1.5キロ以内の住民1100人あまりのうち、半分ほどがチェックを受けていないなど、自治体の事後対策の不備が指摘されています。