韓国独自のロケット「ナロ号(KSLV-1)」の発射が、打ち上げ4時間前に延期されたことについて、専門家の間では、ナロ号の一段目ロケットが韓国とロシアの共同開発ではなく、完成品の購入であるという点に問題を指摘する声があがっています。
ナロ号は当初、2002年8月に、重さ100キロの衛星を地球の低軌道に進入させるロケット技術の開発を目的とした「小型衛星ロケット開発事業」としてスタートし、2004年9月にロシアが共同パートナーとして決まりました。
外国からミサイル技術に転用できるロケット技術を手に入れることは容易なことではありませんが、当時外貨危機で財政難に陥っていたロシアが、共同パートナーとなり、ロケット技術の韓国への移転が期待されていました。
しかし2年後の2006年10月に新たに締結された「韓国・ロシア宇宙技術保護協定」では、1段目のロケットは共同開発ではなく完成品の売買とする契約内容に変更されました。
今回の場合も、発射台と1段目のロケットの間で燃料漏れを発見したのも、また発射の延期を決めたのもロシアでした。
教育科学技術部の関係者は、「完全な韓国技術でロケットを開発することが複雑な問題解決の唯一の方法だ」と話しています。