北韓の体制を讃え、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の誕生日を祝うメールの送信が儀礼的な行為かどうかで争われていた裁判で、韓国の大法院は、自由民主主義の基本秩序を脅かす行為で、国家保安法違反に当たるとする判断を示しました。
この裁判は、 2009年、48歳の自営業の韓国人男性が 、インドネシアで北韓の工作員と接触して韓国の地図を渡したほか、北韓体制を讃え、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の誕生日を祝うメールを北韓の工作員に送信したなどとして国家保安法違反の罪で起訴されていたものです。
2010年の一審判決では、懲役2年・執行猶予3年の判決を受けましたが、二審では、誕生日を祝うメールの送信については、儀礼的な行為に過ぎないとして、一部無罪の判決を言い渡したことから、被告、検察側双方が不服として上告していたものです。
これに対して、日本の最高裁にあたる韓国の大法院は31日、争点となっているメールの送信について、「被告は北韓の体制を讃える内容を盛り込み、金正日国防委員長の誕生日を祝うメッセージを北韓の工作員にメールで送ったのは、韓国の存立と安全、自由民主主義の基本秩序を脅かす行為であり、国家保安法違反に当たる。これを危険でないとした二審判決には間違いがある」との判断を示し、裁判をやり直すよう求めたことを明らかにしました。