北韓の朝鮮中央通信が8日、韓国にいったんは亡命したものの、今年9月に北韓に戻った元脱北者の夫婦が平壌（ピョンヤン）で記者会見し、韓国では悲惨な生活を強いられたと語ったと伝えました。
それによりますと、北韓の咸鏡北道（ハムギョンブクド）出身のキム・グァンヒョクさん（27）と妻のコ・ジョンナムさん（29）は、2008年に中国を経由して韓国に亡命し、韓国で知り合って結婚しましたが、再び北韓に戻ったということです。
2人は、会見の中で韓国の生活についてふれ、「悲惨で、幻滅を感じ、再び北韓に戻った」と語ったということです。
これについて、韓国統一部は9日記者会見し、「2人は韓国大邱(テグ)市に居住していた子供1人を含む家族3人の脱北者とみられ、今年9月初めに中国から北韓に戻ったものと見られる。大邱には、夫の母親と弟の2人が今も住んでいる」ことを明らかにし、更に詳しい経緯を調べています。
脱北者が再び北韓に戻ったことを北韓側が報じるのは今年3回目で、韓国統一部では、韓国への亡命を防ぐ狙いがあるものとみて、脱北者が韓国社会に適応できるようさらに努めていきたいとしています。