北韓は、6か国協議の合意にもとづいて稼動を停止していた寧辺(ヨンビョン)の黒鉛減速炉を再稼働させる考えを表明しました。
北韓原子力総局の報道官は2日、朝鮮中央通信を通じて「寧辺のすべての核施設の用途を調整する」と述べ、「この措置には、2007年10月の6か国協議の合意にもとづいて無能力化した5000キロワットの黒鉛減速炉を再稼働することも含む」と説明しました。
黒鉛減速炉が再稼働されれば、核兵器の原料となるプルトニウムの抽出につながりますが、再稼働は容易ではないとする見方もあります。
北韓は、2009年以降、ウラン濃縮工場の建設に重点を置いており、老朽化した寧辺の核施設の再整備にはかなりの時間がかかるものとみられます。
北韓は先月31日、労働党中央委員会全体会議を開き、核武装と経済発展を同時に進めるとする新しい政治路線を採択していて、黒鉛減速炉の再稼動の表明は、核開発の加速をアピールするねらいがあるとみられます。