去年、観光目的で北韓入りして抑留され、北韓の最高裁判所で15年の労働教化刑の判決を言い渡された韓国系アメリカ人男性の、ケネス・ベ氏の服役が始められたもようです。
朝鮮中央通信が15日、伝えたところによりますと、ケネス・ベ氏は14日から北韓の「特別教化所」へ送られ、服役を始めたということです。
北韓の労働教化刑は、炭鉱などに設置された労働教化所に収容され、厳しい強制労働に従事させられる刑罰で、懲役2年以上の重い犯罪を犯した者に言い渡されます。北韓に抑留されていたアメリカ人で、実際に労働教化所入りが伝えられたのは、ケネス・ベ氏が初めてです。
これについて専門家の間では、長距離ミサイルの発射や3回目の核実験などで韓半島の緊張が高まっているなか、北韓がアメリカに圧力をかけて対話の糸口を見出そうとする狙いがあるのではないかという見方も出ています。
ケネス・ベ氏は、北京に拠点を構えて外国人の北韓観光を案内する仕事をしていましたが、去年11月、北韓東北部の羅先(ナソン)市で、飢えに苦しむ北韓の孤児たちを撮影した容疑で北韓当局に拘束され、先月30日、北韓の最高裁判所で15年の労働教化刑を言い渡されました。