非核化に向けた行動が米朝対話の条件だとするオバマ政権に対して、北韓は16日、韓半島の緊張緩和に向けた高官級協議の開催を提案し、前提条件なしで会談に応じるよう求めました。
これは、北韓が16日午前、朝鮮中央通信を通じて発表した国防委員会の重大談話として明らかにしたものです。
このなかで、北韓は、「韓半島の緊張を緩和し、アメリカ本土を含めた地域の平和と安全を成し遂げるため」として、米朝高官級協議の開催を提案し、日時や場所はアメリカの都合に合わせるとしています。
談話では、会談の議題として、▼軍事的緊張状態の緩和 ▼休戦体制から平和体制への転換 ▼アメリカが打ち出している「核のない世界」の建設など、双方が望む様々な問題を取り上げることができるとしています。
また、談話は、「韓半島の非核化は金日成主席と金正日国防委員長の遺訓で、必ず実現しなければならない」としながらも、「非核化は、韓国を含む韓半島全域で進められるべきだ。それまで、われわれの核保有国としての地位は維持される」と強調し、アメリカに対して軍縮を求めるとともに、一方的な非核化には応じないとするこれまでの立場を改めて主張しています。
この北韓の提案は、先週、土壇場で見送られた南北当局会談が実現しないまま、アメリカとの直接対話に進む姿勢を示したもので、非核化に向けた行動を米朝対話の条件とするオバマ政権が北韓の提案にどのように対応するかに関心が寄せられています。
前回の米朝高官級協議は、金正恩体制発足後の去年2月に北京で開催され、北韓が核実験やウランの濃縮活動、長距離弾道ミサイルの発射を一時凍結するとともに、ウラン濃縮活動をめぐるIAEAによる監視を受け入れれば、アメリカが24万トン分の栄養補助食品を提供することで合意していました。