韓国の大統領府をはじめ、与党セヌリ党、一部の新聞社などのコンピューターシステムに25日午前9時30分ごろから正午前にかけて障害が発生し、韓国政府は関係部署による合同調査チームを発足させ、何者かによるサイバー攻撃と見て、被害状況の把握にあたるとともに警戒を強めています。
25日午前9時半ごろ、韓国の大統領府青瓦台のホームページが何者かに改ざんされたのに続き、地方紙の毎日新聞や大邱(テグ)日報の記事作成システムに障害が発生したほか、11時半ごろには与党セヌリ党のホームページが接続できなくなりました。
このため、韓国政府は、何者かによるサイバー攻撃の可能性が高いとして、関係部署による「サイバー攻撃評価会議」を開くとともに合同調査チームを発足させ、被害状況の把握にあたっています。
このうち、セヌリ党では、ホームページに接続できなくなったほか、サーバーから10万人分の会員の氏名や住所、電話番号などの個人情報が流出した恐れも出ていて、確認を急いでいます。
また、大統領府のホームーページでは、当初、接続すると赤い文字で「偉大なる金正恩(キム・ジョンウン)首領」などと書かれたメッセージが表示されたということです。
政府の合同調査チームでは、障害を起こした原因を調べるとともに、攻撃元の特定を急いでいます。
国際ハッカー集団として知られる「アノニマス」は24日、6月25日の韓国戦争が勃発した日に合わせて、北韓の朝鮮中央通信など46の機関のウェブサイトを攻撃すると予告していて、合同調査チームは、今回のサーバー攻撃と関係があるかどうかについて、詳しく調べています。