金剛山観光事業の中断や開城工業団地の閉鎖などから、外貨不足が伝えられる北韓では、最近、東部の元山市一帯を観光特区に指定して、外国からの観光客を呼び込むための開発を進めています。
元山市一帯の開発にあたっては、北韓は金融貿易地区、スポーツ及び娯楽地区、観光宿泊地区に分けて開発工事を進めていて、先月末には金正恩第1書記が元山市を訪問し、スキー場の建設現場を視察した際に、今年中にスキー場とホテルを完成するよう指示したということです。
北韓の事情に詳しい消息筋によりますと、北韓は、現在中断している金剛山観光事業などの観光産業が重要な外貨収入源になることを経験していて、元山市一帯を観光特区に指定して開発を進めているのは、外貨不足を解消するねらいがあるとみられています。
この開発計画と関連して、北韓はシンガポールの企業から100億ドル、およそ9800億円にのぼる投資を受ける交渉を進めているということで、開発が順調に進むかどうかは、投資環境を整備してどれだけ外国資本を呼び込めるかにかかっています。