韓国南東部の慶尚北道(キョンサンブクド)で、今年5月に蔚珍(ウルジン)原発から名前が変わったハンウル原発5号機が5日午後、発電するためのタービンにトラブルが発生して運転が停止し、厳しい節電を求めている夏の電力供給体制が悪化する恐れが出ています。
韓国水力原子力のハンウル原子力本部によりますと、出力100万キロワットのハンウル原発5号機で、5日午後3時36分頃、タービン発電機に取り付けられている復水器で異常信号が発生し、運転が停止したということです。
復水器は、タービンを廻した水蒸気を真空状態のまま再び水に戻す装置で、なんらかの原因で真空状態が維持できなくなり、異常信号が発生したものとみられています。
ハンウル原発5号機は、2004年7月から営業運転を開始し、ことし5月3日から先月16日にわたって定期点検を行い、運転を再開したばかりでした。
今回のトラブルによって、韓国では、現在、原発23基のうち、部品の試験成績書の偽造が発覚して運転を停止した原発も含めて合わせて9基の稼動が停止したことになり、7月に入ってから、官民あげての厳しい節電対策で乗り切ろうとしている、この夏の電力需給状況が悪化する恐れも出てきました。
蔚珍からハンウル原発への名称の変更は、地元住民から地域の名前を削除するよう求める要望を受けて、 韓国水力原子力が今年5月に行なったもので、これまでの全羅南道にある霊光(ヨングァン)原発もハンビッ原発に変わっています。