アメリカなどの永住権を持っている韓国人が、韓国国内で生活する場合、永住権を放棄しなければ住民登録ができず経済活動に支障をきたしていることから、政府は韓国に一定期間住んでいる韓国人の国外永住権者に対して住民登録証を発行する法律改正に取り組むことになりました。
安全行政部は9日、こうした国外永住権者の利便性をはかるために、韓国に住所を置き一定期間以上住んでいる国外永住権者に対して住民登録証を発行する住民登録法の改正を進めると発表しました。
安全行政部は法務部、外交部などでつくるチームによる協議を経て、9月の通常国会に法案を提出する方針です。
いまの住民登録法では、国外永住権を放棄しなければ、韓国の住民登録証の発行を受けられなくなっています。このため国外永住権者が韓国に住む場合、韓国国籍であっても経済活動に制約があるため、「居所申請」という手続きをしなければなりませんでした。
安全行政部の関係者は、「住民登録は福祉サービスなどともつながっていて、韓国国民としての権限を享受できる根拠となるため、改正によって、どこまでサービスを受けられるようにするかについて関係部署が踏み込んだ議論を続けている」と話しています。統計によりますと、去年末の時点で、韓国国籍の国外永住権者は115万人いて、そのうち韓国国内に「居所申請」を出している人は7万1000人います。