アシアナ航空の旅客機が7日、サンフランシスコ国際空港で着陸に失敗して炎上し、2人が死亡し180人を超えるけが人が出た事故で、機内にいた操縦士の誰かが衝突直前に異変に気づき、着陸をやり直すことを意味する「ゴーアラウンド=復航」という言葉を叫んでいたことがわかりました。
事故の原因を調べているNTSB=アメリカ運輸安全委員会が11日、明らかにしたところによりますと、操縦室の音声記録を分析した結果、衝突3秒前と1.5秒前の2回にわたって、着陸をやり直すことを意味する「ゴーアラウンド=復航」と叫ぶ声が録音されていたということです。
機内にいた操縦士の会話では、衝突9秒前までは速度についての言及はなく、衝突直前になって不適切な高度と速度で滑走路に接近していることに気づいたものとみられます。
またフライトレコーダーを解析した結果、自動操縦装置や自動速度維持装置に異常な動きはなかったということです。
一方、韓国の日刊紙、中央日報は10日、事故当時、機長と副機長の2人以外に、交代組の操縦士の副機長が操縦室にいて、衝突直前に異常兆候を警告していたと報じました。
それによりますと、この交代組の操縦士の副機長は、8日に行われたNTSBによる聴き取り調査で、「操縦席の後ろにある座席で着陸の状況を見守っていた。高度が1000フィート以下に下がったあとに下降速度が急に速くなったため、数回にわたって‘降下率’と叫んだが、操縦席にいた機長と副機長から返事はなかった」と話しているということです。