北韓では、金正恩(キム・ジョンウン)体制を支える李永吉(リ・ヨンギル)上将が大将に昇進するなど、 最近完了したと見られる軍部の大幅な人事異動のねらいに関心が集まっています。
最近実施された北韓軍の人事で最も目を引くのは金正恩体制の中心人物、李永吉上将の大将昇進で、北韓のメディアは28日、金正恩第1書記らとともに金日成競技場で男子サッカー競技を観戦する李氏について、大将の階級章を付けた写真を掲載して紹介しています。
また、北韓メディアは、李氏の名前を韓国の国防部長官に相当する張正男(チャン・ジョンナム)人民武力部長に先立って読み上げていて、金格植(キム・ギョクシク)軍総参謀長が競技に姿を見せなかったことから、李氏が軍総参謀長に昇進したとの見方も広まっています。
75歳となる金格植氏に対して、若手の李氏は、江原道前線部隊第5軍団司令官出身で、今年初めに総参謀部作戦局長に昇格していました。
こうした北韓メディアの報道によって、北韓では、民間人出身で60代の崔竜海(チェ・リョンヘ)氏が、去年、軍序列2位の総政治局長に就任したことで始まった軍首脳部の世代交代が終わったとの見方が強く、権力の中心が軍から党に移っている様子が伺えます。