北韓が老朽化した原子炉を再稼働させ、プルトニウムの生産を再開したとみられると、アメリカの研究所が2日明らかにしました。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の米韓研究所が2日、明らかにしたところによりますと、先月、寧辺(ヨンビョン)にある原子炉が再稼働している兆候がみられると指摘したあと、9月19日には商業衛星が撮影した画像から、原子炉の温廃水が新しい排水管によって川に排出されているのが確認できたということです。
これについて研究所の関係者は、「排水が出ているということは、この5000キロワットのプルトニウム原子炉が再稼働しているということだ」と説明しています。
この研究所が7月下旬に撮影した写真では、温廃水が排出されている様子は確認されておらず、再稼働したのは最近のこととみられています。
寧辺の原子炉について、この研究所は、先月11日、水蒸気とみられる白い煙が立ち上っていることが衛星写真で確認されたとし、再稼動の可能性が高いという見方を明らかにしています。
北韓は2007年の6か国協議の合意で寧辺の原子炉をいったん閉鎖しましたが、北韓原子力総局の報道官は今年4月、寧辺のすべての核施設を再稼動させると発表していました。
北韓がこの原子炉を再稼動させれば、1年間に核兵器1個分にあたる6キログラムのプルトニウムを作ることができるとされています。