1950年に起きた韓国戦争で捕虜になり、北韓に抑留されてその後、死亡した元韓国軍兵士とみられる遺骨が、5日、中国経由で韓国に運ばれました。
この遺骨は、北韓で30年前に死亡した元韓国軍兵士のソン・ドンシキさんと推定され、2005年に北韓を脱出したソンさんの長女が北韓で死亡した父親の遺骨を民間団体などの協力で、中国経由で韓国に運びこみました。
遺骨は、国防部の遺骨発掘鑑識団による遺伝子検査の結果、元韓国軍兵士であることが確認されれば、ソウルの国立墓地に葬る予定です。
ソン・ドンシキさんは1925年生まれ、韓国陸軍第9師団所属の兵士だったということで、生前、故郷の慶尚南道金海市に葬ってほしいと口癖のように話していたと、ソンさんの長女は話しています。
1950年に起きた韓国戦争では、犠牲となった元韓国軍兵士およそ16万人のうち、激戦地で名もなく葬られている兵士は、13万人にものぼっており、休戦から60年になった今なお、遺骨の収拾作業が進んでいません。