高い上空から相手のミサイルを迎撃する、アメリカのTHHAD=高高度防衛ミサイルシステムについて、韓国国防部が導入を検討していると明らかにしたのに対して、韓国の野党は北韓の核問題解決の重要な鍵を握る中国の反発を招く恐れがあるとして、導入に反対する姿勢を明らかにしました。
これは、韓国の最大野党、民主党の金寬永(キム・グァンヨン)報道官が16日、国会で記者会見し、明らかにしたものです。
この中で、この報道官は、金寛鎮(キム・グァンジン)国防相が15日、アメリカの「高高度防衛ミサイルシステム」の導入を検討しているとしたことについて、「このシステムを導入することは、アメリカのミサイル防衛システムに編入されることを意味する」と指摘しました。
また、「北韓の核問題解決の重要な鍵を握る中国の反発を招く恐れがあり、朴槿恵大統領が進めている韓半島信頼プロセスも中国の協力が欠かせない」と強調し、反対する姿勢を示しました。
さらに、この報道官は、韓米両軍が戦時作戦統制権の移管時期を延期したことについて触れ、アメリカがその代価をいろいろ求めてくること自体が問題であるが、そうした要求を許す余地を提供した朴槿恵政権も反省すべきであると批判しています。
一方、金寛鎮国防相16日、記者会見し、野党側のこうした主張について、高高度防衛ミサイルのシステムの導入は決まったわけでないとしたうえで、アメリカのミサイル防衛システムはアメリカ本土を防衛することが目的で、韓国は独自のミサイル防衛システムを構築していくという考えに変わりはないと述べました。