北韓の金正恩（キム・ジョンウン）第1書記の叔父で後見人とされる張成沢（チャン・ソンテク）国防委員会副委員長の失脚説が伝えられていた中で、北韓は、9日、張成沢氏をすべての職務から解任したことを発表しました。
これは、北韓の国営朝鮮中央通信が9日朝、伝えたものです。
それによりますと、金正恩第1書記が出席して8日に開かれた労働党中央委員会政治局会議で、「張成沢氏をすべての職務から解任するとともに、党から除名することを決めた」ということです。
その理由については、「反党、反革命行為を強行し、強盛国家建設と人民の生活向上のための闘争に莫大な害毒を及ぼす反国家的、反人民的犯罪を犯した」としています。
また、「資本主義の生活様式に汚染され、不正腐敗行為を繰り返し、堕落した生活をした」として、「党と革命に及ぼした害毒は大きい」と強調しています。
張成沢氏について、北韓当局が公式に反党、反革命行為を強行したとして、すべての職務から解任し、党からも除名したことで、再び指導部に復帰する可能性は低いとの見方が出ています。
ところで、北韓の朝鮮中央テレビは9日午後3時過ぎ、8日の労働党中央委員会政治局会議が終わった直後に、 張成沢氏が軍服姿の人民保安要員2人によって会場から連行される写真を放送しました。
北韓が最高実力者の一人を現場で連行する場面を公開したのは異例のことです。