検定を受けた歴史教科書の中から、各学校が自由に採択する現行の検定制度について、韓国の与党セヌリ党は、国が教科書を編纂して一括して配布する国定教科書制度に復帰させることを検討していて、今後の動きが注目されています。
韓国の歴史教科書については、2002年以降、出版社が教科書を編纂して検定を受け、各学校が合格した教科書の中から自由に選んで採択する検定制度が実施されています。
ところが、今年度の歴史教科書の検定では、政府が主な株主となっている出版社の教科書が親日的な傾向が強いとして問題になり、結局、この教科書を採択した学校は一つもありませんでしたが、国が編纂して一括して配布する国定教科書制度に戻すべきであるとの論議が出ていました。
これを受けて、与党セヌリ党では、歴史教科書について、国定教科書制度に復帰することを検討し始めたもので、関係者によりますと、党内では国定教科書制度に賛成する意見が多いということで、教育関連団体や市民団体の対応とともに、今後の動きが注目されています。