中断したままになっている南北離散家族の再会事業について、韓国政府が今月末の旧正月に合わせて実施するよう、赤十字による協議を提案したのに対し、北韓は、9日、「韓国では戦争演習が絶えず続く中で、離散家族の再会ができるだろうか」と述べ、提案に応じない姿勢を示しました。
これは、北韓の祖国平和統一委員会が9日午後、板門店の連絡チャンネルを通じてファックスで伝えてきたものです。
それによりますと、離散家族の再会事業を旧正月に合わせて実施したいとする韓国の提案について、まず、「酷寒のため、高齢者には適切ではない」と述べ、「良い季節に協議できるだろう」と伝えているということです。
また、北韓は、「韓国では絶えず戦争演習が続いていて、近く大規模な韓米合同訓練も予定されている中で、離散家族の再会ができるだろうか」とも指摘し、提案に応じない姿勢を示しました。
これについて、韓国統一部の報道官が会見し、「北韓が通常の軍事訓練を人道上の事案に結びつけたことに遺憾の意を表明する」と述べ、北韓は南北関係の改善に向けて、言葉ばかりではなく、行動で示すべきであるとの姿勢をしめしました。
南北離散家族の再会は、2010年10月以降中断したままとなっていて、去年9月末の旧暦のお盆に合わせて、南北が実施することでいったん合意していましたが、北韓側が金剛山観光事業の再開問題と連携させて、直前になって一方的に延期していました。
これについて、朴槿恵(パク・クネ)大統領は、6日、年頭記者会見の中で、 今月末の旧正月に合わせた南北離散家族再会事業を実施することを提案し、韓国政府は10日、大韓赤十字社総裁名義の通知文を北韓側に送り、今月10日に赤十字による協議を行なうよう提案していました。