原発の部品納入をめぐって現代重工業から巨額の賄賂を受け取った韓国水力原子力の幹部に対して、裁判所が検察の求刑より重い懲役15年の刑を言い渡しました。また、この幹部に金品を提供した現代重工業の役員らにも最高で懲役3年6か月の刑が言い渡されました。
釜山地方裁判所は10日、アラブ首長国連邦への輸出用原子力発電所の部品納品の見返りとして現代重工業から17億ウォンを受け取った罪で起訴された韓国水力原子力の49歳のもと部長に対して、懲役15年と、罰金35億ウォン、追徴金4億3050万ウォンを言い渡しました。
このもと部長は、これとは別に部品の品質保証書の偽造を指示した罪で懲役5年の判決を受けています。
裁判所は、判決で、「被告は地位を利用して金品を要求するなど罪が悪質なうえ、反省の兆しがみえない」として、「検察の求刑より8年重い判決を出した」としています。
裁判所はまた、2012年7月から去年3月まで、アラブ首長国連邦への輸出用原子力発電所の部品納品の見返りとして、韓国水力原子力の幹部に金品を渡していた現代重工業の58歳のもと総括常務ら役員6人のうち4人に対して、最高で懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。
韓国では、原発を運営する韓国水力原子力で、物品納入をめぐる汚職が相次ぎ、複数の原子炉で品質保証書が偽造された不正な部品が使われていたことが発覚し、国民の原発に対する不信感が高まっています。