韓国では、高度経済成長を遂げた一方で、高齢者の貧困が今、社会問題の一つになっていて、親を扶養すべきだとする儒教思想が若者の間で薄れてきているとの指摘がなされました。
これはアメリカの日刊紙、ワシントンポストが21日付けで報じたものです。
それによりますと、韓国は高度経済成長を遂げた一方、65歳以上の高齢者貧困率がOECD=経済協力開発機構の加盟国中で最も高く、ソウル市内で、市民団体の無料給食に頼る高齢者や、数千ウォン、数百円を稼ぐために古紙を回収する高齢者を見かけると伝えています。
また、韓国は、子どもが親を扶養する儒教思想が受け継がれてきましたが、親を扶養すべきだと考える若者はこの15年間で90%から37%にまで減っていて、ワシントンポスト紙はこうした伝統が薄れつつあるとしています。
さらに、高齢者に対する公的支援も十分とは言えず、高齢者の自殺率が2000年に比べて3倍以上に増え、社会問題になっていると指摘しています。