元韓国駐在アメリカ大使のドナルド・グレッグ氏(87)が10日、平壌(ピョンヤン)を訪れたことがわかり、北韓に拘束されている韓国系アメリカ人男性の解放問題など、米朝間の関係改善に向けて、多方面での協議が行われるものとみられています。
アメリカのAPTNが10日、報じたところによりますと、1970年代にアメリカ中央情報局(CIA)韓国支部長を務めたあと、1989年から4年間、韓国駐在のアメリカ大使を務めたグレッグ氏が10日午後、元下院議員ら4人とともに平壌を訪れたということです。
今回の訪問について、一行の1人、リン・ターク元国務省北韓担当官は、北韓外務省の招待で訪れたとしていて、訪問の目的については、アメリカと北韓の間の架け橋の役割を果たすためとし、韓国系アメリカ人男性の解放については言及を避けたということです。
また、今回訪問したメンバーには韓国戦争に参加した軍人出身のピート・マクロスキー元下院議員が含まれているもようで、16年間下院議員を務めて、ワンシントンの政界ではグレッグ氏以上に認知度や影響力が大きいといわれています。
今回の訪問は、韓国系アメリカ人男性の解放に関連して、北韓がアメリカ政府高官の訪朝を受け入れないことを決めた矢先のことでした。
アメリカ政府は、今回の訪問について反対しなかったとされていて、グレッグ氏一行は北韓の高官らと会って、韓国系アメリカ人男性の解放交渉だけでなく、アメリカと北韓の関係改善に向けた協議を多方面で行うものとみられ、その成果の行方に関心が高まっています。