韓国・慶州市のリゾート施設で体育館の屋根が雪の重みで崩落し、大学生ら10人が死亡した事故に関連して、専門家の間からは屋根の構造や工事に問題があった可能性があるとの指摘が出されています。
この事故は、韓国南東部・慶州市にあるリゾート施設で、先日の大雪が積もった体育館の屋根が崩落したもので、新入生のオリエンテーションに参加していた500人を超える大学生や教職員らが巻き込まれ、これまで10人が死亡し、100人あまりがけがをしたものです。
事故を受けて韓国政府が発足させた災害対策本部によりますと、事故当時、体育館の屋根には50センチの雪が積もり、1200平方メートルの体育館の屋根には、180トンもの重みがかかっていたと推定されています。
一方、体育館は中央に柱のない構造で、外壁は鋼板で断熱材を挟んだサンドイッチパネルでできていて、建築の専門家からは、建物を支えている鉄骨もHビームではなく、軽量鉄骨が使われたと推定していて、屋根が雪の重みに耐えられず、崩落したものとの指摘もなされています。
またこの建物は、2009年の竣工以来、一度も安全点検を受けていないことがわかっていて、災害対策本部では、この建物が安全規定に違反して工事に手抜きがなかったかどうかや安全管理に問題がなかったかどうかなどについて関係者を呼んで詳しく調べることにしています。