リビアの武装民兵が支配する石油積み出し港で、原油を積み込もうとして、リビア政府とにらみ合いを続けていた、北韓のものとみられるタンカーは、リビア政府寄りの武装勢力によって統制されているもようです。
AFP通信が10日、伝えたところによりますと、リビアの石油積み出し港に入港していた北韓の旗を掲げたタンカーは、迫撃砲やロケット弾発射装置などを搭載したリビア政府寄りの武装勢力の漁船22隻によって包囲され、統制できるようになったということです。
このタンカーは8日、リビアの石油積み出し港で、原油を積み込もうとしていましたが、リビア政府がタンカーの入港はリビアの主権を侵害するとして、「船が原油を積んで出港すれば停止を命じて拿捕(だほ)し、従わなければ攻撃する」と警告して、にらみ合いを続けていました。
タンカーの積載量は35万バレルとされ、船籍や目的地などについてはまだ明らかになっておらず、リビア海軍は近く、このタンカーを政府の統制下にある港に移動させる方針です。
リビアでは、2011年にカダフィ独裁政権が崩壊したあと、反政府武装勢力が油田と石油積み出し港を掌握していて、独自にタンカーに原油を売却するなど、政府との間で、石油利権をめぐる争いが続いています。