偵察用と見られる小型無人機が韓国で墜落しているのが相次いで見つかった問題で、韓国の野党議員が、機体に刻まれたハングル文字の書体や燃料の重量などから、「北韓から送られたものではない可能性が高い」と主張し、論議を呼んでいます。
先月末から今月はじめにかけて、韓国内で偵察用と見られる無人機3機が墜落しているのが相次いで見つかり、韓国国防部は11日、「北韓のものであることが確実」とする調査結果を発表するとともに、機体を公開しました。
これについて、韓国の野党、新政治民主連合のチョン・チョンレ議員は11日に開かれた国会外交統一委員会で、「北韓から送られたものではない可能性が高い」と主張しました。
その根拠として、チョン議員は、▼機体に刻まれたハングル文字の書体が、北韓で通用している書体でないこと、▼機体の番号が、北韓では使用されていないアルファベッドと数字で書かれていること、▼北韓との間の往復270キロを飛行するには、5キロのガソリンを搭載する必要があるのに、重量12キロの無人機に5キロのバッテリが装着されていることなどをあげています。
これに対して、柳吉在(リュ・ギルジェ)統一部長官は、「提起した疑惑が北韓の無人機ではないという証拠にはなりえない」と応じています。
一方、連合ニュースは、韓国の一部市民団体や学界からもチョン議員と同じ主張が提起されているとして、2010年の韓国海軍哨戒艦沈没事件と同じように、疑惑をめぐる論議が再燃される可能性も排除できないとしています。