韓国南西部の珍島(チンド)の沖合いで起きた旅客船の沈没事故で、17日夜、新たに4人の死亡が確認され、283人が行方不明となっています。
この事故は、16日午前9時前、韓国南西部の全羅南道(チョンラナムド)珍島の沖合いで、仁川(インチョン)から済州(チェジュ)島に向かって航行していた定期旅客船「セウォル号」(6825トン)が浸水とともに傾き始め、2時間20分ほどで転覆し、沈没したものです。
「セウォル号」には、修学旅行の高校2年生男女325人と教員14人を含む乗客乗員合わせて475人が乗っていましたが、中央災害対策本部によりますと、17日夜までに179人が救助されましたが、死亡が確認されたのは、20代の女性乗務員と高校生5人、そして女性教員ら合わせて14人となり、残り282人が依然として安否の確認がとれていません。
救助された179人のうち、けがをした101人が病院で治療を受けていて、このうち5人は、重傷だということです。
海洋警察庁や軍は、およそ500人のダイバーを投入して安否不明の282人に対する救助・捜索活動に当たっていますが、悪天候に強い潮の流れと濁った水に阻まれ、多くの人が閉じ込められているとみられる船内への進入すらできなくなっているということです。
一方、船体を引き揚げる大型クレーン3台は、当初の予定より早く、18日朝8時までに事故海域に到着する予定です。
政府は、人命救助と捜索、船体の引き揚げ、事故原因の究明、乗客乗員の家族に対する支援など、事故の収拾にむけて最善の努力を注ぐとしています。