韓国南西部の珍島(チンド)の沖合いで起きた旅客船の沈没事故で、安否の確認がとれていない乗客の家族らが18日、声明を発表し、救助に対する政府の対応を強く非難しています。
今回の旅客船の沈没事故では、これまでに25人の死亡が確認され、179人が救助されたものの、残り271人が依然として行方不明になっていてます。
現場では、悪天候や潮の速い流れなどに阻まながらも、懸命の救助活動が続いていますが、新たな情報は限られ、行方不明者のの家族は焦りと苛立ちを募らせています。
こうした中で、安否の分からないままの乗客の家族らは18日、待機場所となっている体育館で声明を発表しました。
この声明では、「救助活動に関する状況を説明する責任者が現場に一人もおらず、本部すら設置されていない」などと訴え、政府の対応を強く非難しています。
また、「17日に訪れた現場の海域には、救助隊200人、ヘリコプター2機、船は海軍の艦隊2隻など10隻しか見当たらなかったが、政府は、救助隊500人、ヘリコプター121機、艦船1692隻を投入したなどと、偽っている。」などとして、「これが大韓民国の現実です。国民のみなさん、どうか子供たちを助けてください」と国民に助けを求めています。
今回の事故では、朴槿恵(パク・クネ)大統領が17日午後、乗客の家族たちが集まる体育館を訪れ、徹底した対応を約束しましたが、家族らは救助活動が迅速に進んでいないことに強い不満の声をあげていました。