韓国南西部の珍島(チンド)の沖合いで起きた旅客船の沈没事故で、乗客268人の安否が確認されていない中、旅客船「セウォル」号は最後まで海面に残っていた船首部分も水没する寸前となり、救助活動はさらに難しくなってきています。
海洋警察によりますと、沈没した「セウォル」号は、18日午前9時頃まで、船首の部分がおよそ1メートルほど浮き出ていましたが、 事故発生から3日目の18日午後0時30分頃になって、船体すべてが水面の下に沈む寸前になったということです。
これについて、専門家は、船体の内部に残っていた空気の空間、いわゆる「エアポケット」が徐序に減って浮力がなくなったためとみています。
海洋警察では、18日午前11時前、船体の中に空気を送り込む作業に取り組んでいますが、「セウォル」号の船体が水面の下に沈んだことで、救助活動はさらに難航することが避けられない見通しとなりました。
また、事故現場には18日、クレーン船3隻が到着し、海洋警察では、船体の引き揚げる作業の準備を始めていますが、引き揚げ作業が船内の生存者の安全を脅かす可能性もあり、安否の確認がとれていない乗客の家族の同意なしには引き揚げない方針を決め、慎重に対応することにしています。