韓国南西部の珍島(チンド)の沖合で起きた旅客船の沈没事故で、沈没した船と事故現場に近い珍島交通管制センターとの交信内容が明らかになり、センター側が緊急救護措置をとるよう指示したにもかかわらず、船長らは十分な対応をしないまま乗客を置き去りにして脱出した可能性をうかがわせています。
検察と警察の合同捜査本部によりますと、沈没したセウォル号は16日午前8時55分に初めて、済州の交通管制センターと交信し、事故があったことを報告したあと、11分後の午前9時6分に現場に近い珍島交通管制センターとも交信し、31分間に11回にわたって交信していたということです。
このうち、9時23分から25分までの交信では、センター側がセウォル号の乗員に、救命胴衣や救命浮環を使うことや乗客を避難させることなどを伝え、緊急救護措置をとるよう指示していたことがわかりました。
これに対して、セウォル号は、沈没するまでの間に、乗客のほとんどが船室に留まったままで、珍島交通管制センターの指示に十分対応しないまま、船長らは乗客を置き去りにして脱出した可能性が高いことをうかがわせています。