韓国では、予算の節約を理由に、2009年に旅客船の耐久年数をそれまでの25年から30年に伸ばしただけでなく、おととし2012年には電車の耐用年数を鉄道安全法から削除していたことがわかり、交通機関の安全に対する国民の不信感が高まりそうです。
韓国の鉄道安全法37条は、鉄道事業者に対して、「国土海洋部令が定めた耐用年数を超えた車両は運行できない」と定め、施行規則で耐用年数を高速鉄道は30年、一般の電車は20年から30年としていました。
しかし2012年に鉄道安全法が大幅に改正されて、コレイルの鉄道だけでなく、地下鉄の電車の耐用年数の規定もそろって削除され、今年3月19日から施行されました。
ソウルメトロが運営する地下鉄1号線から4号線の電車合わせて1954両のうち、23.8%にあたる466両は耐用年数が20年以上たっており、36.8%にあたる718両は16年から19年になるということです。そして今回の地下鉄2号線の事故では、追突した後ろの電車は製造してから今年で25年、追突された前の電車は24年でした。さらに日常の点検が十分に行われていたかどうか懸念が持たれています。
韓国では、先月16日に南西海上で修学旅行中の高校生ら476人を乗せた旅客船が沈没したほか、ソウルの地下鉄追突事故があった同じ2日には、東海でおよそ400人が乗った旅客船が、また南海岸ではおよそ140人を乗せた遊覧船が、それぞれエンジンが故障するトラブルを起こしており、交通機関の安全に対する国民の信頼が揺らいでいます。