沈没事故に犠牲者に関連して、KBSの報道局長が不適切な発言をした問題で、犠牲者の家族らは、9日午前、大統領府青瓦台を訪れ、この局長の解任と謝罪を求めて、KBSに対して厳しく対応するよう申し入れました。
この問題は、今回の沈没事故に関連して、KBSの報道局長が先月末、沈没事故の犠牲者について、「交通事故の年間の死者数を考えるとさほど多いものではない」と発言したと一部メディアが報じたことから、遺族や行方不明者の家族らが強く反発していたものです。
これに対して、KBSの報道局報道本部長ら幹部10人あまりが謝罪のため、8日午後に焼香所を訪れましたが、報道局長が姿を見せなかったことから、遺族や行方不明の家族は、10人を追い返すとともに、8日夜遅くKBSに抗議に訪れ、報道局長の解任と謝罪を求めたものの、KBS側はこれを受け付けなかったということです。
このため、遺族や行方不明の家族らは、9日未明に青瓦台前で抗議集会を行ったのに続いて、9日午前、青瓦台の朴晙雨(パク・ジュンウ)政務首席秘書官らと面会し、KBSの報道局長の発言としては不適切であると改めて指摘し、報道局長の解任と謝罪を求め、KBSに厳しく対応するよう申し入れました。
遺族や行方不明の家族らは、引き続き青瓦台前で集会を続けています。
一方、これに先立って、全国言論労働組合のKBS本部は今月3日、声明を発表し、「国家災害事態に臨む放送局の報道局長としては不適切な発言であり、セウォル号の犠牲者の遺族や行方不明者の家族に土下座して謝罪すべきだ」として、謝罪を求めるとともに、報道局長の辞任を求めていました。
この発言について、KBSの報道局長は、「安全意識の欠如に関する一連のニュースを企画するに当たり、1か月に500人以上が死亡する交通事故にも驚きの気持ちを持ってもらうとの趣旨で発言したもの」と釈明しています。