旅客船の沈没事故を捜査している検察では、沈没するまでの船体の傾きなどの分析から、海洋警察が積極的に救助活動をしていれば、より多くの乗客を救助することができたと判断していることがわかりました。
これは、検察関係者が11日、旅客船が沈没するまでの傾きなどを分析した結果に基づいて明らかにしたものです。
それによりますと、海洋警察が初めて事故現場に到着した午前9時30分時点では、旅客船は45度傾いた状態で、海洋警察が船内に入って救助活動をしていれば、乗客全員を救助することができた可能性もあると指摘しています。
また、船体は9時45分には62度にまで傾き、さらに船内の乗客が最後に文字メールで救助を要請した10時17分には108度まで傾きましたが、この時点までは船内に入って救助活動をすることができたはずで、海洋警察は船内に入ることなく、甲板にいた乗組員や乗客だけを救助したと指摘しています。
こうした分析結果をもとに、検察としては海洋警察の救助活動に落ち度がなかったかどうか、さらに詳しく調べるものとみられています。