領有権問題でゆれる南シナ海で、中国の国有石油会社が海底の掘削作業を始めようとしたのをきっかけに、中国とベトナム当局の船が衝突して今もにらみ合いが続く中、ベトナムでは中国に反発する大規模なデモが暴徒化し、韓国企業54社も被害を受け、5人がけがをしました。
韓国外交部によりますと、ベトナム南部、ホーチミン近郊のビンズオン省などで13日、中国に抗議する大規模なデモがあり、参加した市民の一部が暴徒化し、中国企業に加えて、韓国企業54社も襲撃され、韓国人5人がけがをしたということです。
デモ隊は、漢字の看板を掲げた工場などを無差別に襲撃していて、韓国企業を中国企業と誤解したものとみられ、韓国企業の工場に火をつけたり、設備を壊したりしたということです。
事態が悪化するのを懸念して、地元の韓国企業400社あまりの多くは14日、操業を停止するとともにホーチミン市にある韓国人学校も14日に休校しました。
ホーチミンにある韓国総領事館は、地元の韓国企業に対して、韓国国旗を掲げるなどして中国企業でないことを示し、韓国人に対しては、外出を控えるよう呼びかける一方、ベトナム政府に対して、安全対策を講じるよう求めました。