政府の初動の対応に不手際が批判されている旅客船沈没事故で、セウォル号の船員は、事故直後に最初に国家情報院に事故が発生したことを報告していて、「放送局の報道を通じて事故を知った」とする国家情報院の主張との食い違いが浮き彫りになっています。
これは、鄭烘原(チョン・ホンウォン)国務総理が20日、国会の審議の中で、野党の質問に答える形で明らかにしたもので、セウォル号の船員は、事故の一報について、最初に国家情報院に報告したということです。
また、これを裏付けるように、セウォル号の船会社「清海鎮海運」の関係者は、事故当日の午前9時10分、セウォル号の管理運営規定に基づいて、文字メッセージを使って国家情報院の関係者に報告したほか、さらに35分と38分には国家情報院仁川支部に電話で報告したと証言しています。
これに対して、国家情報院は、事故を知った経緯について、午前9時19分、放送局が事故の一報を伝えた報道だったとこれまで主張していて、時間的な食い違いが浮き彫りになり、野党側では、国家情報院が事故の通報を隠ぺいしていた疑いがあるとしています。
これについて、野党新政治民主連合では、21日、「国家情報院長、国家安保室長、大統領秘書室長は、いつ大統領に事故の報告をしたのか、正確に報告時刻を明らかにしなければならない」と述べ、「国家情報院がなぜ、セウォル号からの事故報告を隠すのか徹底的に糾明しなければならない」と強調しました。