おととし末の大統領選挙の際、国防部の「サイバー司令部」の要員らが、野党候補を批判するコメントをインターネットに書き込み、軍の政治関与を禁じる法律違反に問われている事件の初公判で、サイバー司令部心理戦団の課長が、「上司である戦団長の指示で政治関連の書き込みをした」と証言し、注目を集めています。
この事件は、おととし末の大統領選挙の際、国防部「サイバー司令部」の要員らが、国防部長官直轄のサイバー心理戦団長の指示で、野党候補を批判する書き込み数十万件をネットに載せ、要員10人と書き込みを指示した戦団長の、合わせて11人が政治関与罪で裁判を受けているものです。
23日、ソウル東部地方裁判所で行われたサイバー心理戦団長に対する初公判で、検察側証人として出廷した当時のサイバー司令部530団第1課長は、書き込みについて、「選挙直前の2012年11月25日に、戦団長から作戦用のスマートフォンで指示を受けた。指示に従わない場合は人事上の不利益を受けるため従った」と述べました。この課長は軍の幹部職員の3級軍務員でした。
また同じく証言に立ったサイバー司令部のメディア戦略業務担当者は、「サイバー司令部に対する捜査が始まると、心理戦団長は、サーバーに貯蔵された関連資料を削除するよう指示してきた」と述べました。
大統領選挙で国防部による不正介入を認める証言が出たのは初めてで、裁判への影響が注目されます。次の公判は今月30日に開かれます。