アメリカが構築を進めているMD=ミサイル防衛システムについて、アメリカ軍の高官は28日、北韓のミサイル開発が「最も重要な懸念事項」になっているとの見方を示しました。
これは、アメリカ統合参謀本部のウィニフェルド副議長が28日、ワシントンで開かれたミサイル防衛に関する討論会で述べたものです。
このなかで、ウィニフェルド副議長は、「アメリカのミサイル防衛システムにおいて、北韓のミサイル開発が最も重要な懸念事項になっている」と指摘しました。
また、「北韓は、まだ、アメリカ本土まで届く大陸間弾道ミサイルを試験発射してはいないが、すべての可能性を念頭に置いて態勢を強化している。北韓のいかなる挑発もアメリカの強力な対応に直面することになる」と警告しました。
また、ウィニフェルド副議長は、「北韓のミサイル開発を踏まえ、韓米日3か国によるミサイル防衛システムの協力を強化する必要がある」と述べ、今週シンガポールで予定されている韓米日国防相会談の場で、ミサイル防衛システムの協力強化を提案するとの考えを示しました。
一方、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル紙は28日、アメリカ国防総省の関係者の話として、北韓のミサイル脅威に備えるため、アメリカが弾道ミサイルを40~150キロの上空で迎撃できるTHAAD=終末高高度防衛ミサイルについて、韓国が購入するかたちで配備することを検討していると伝えました。
これについて、韓国政府は、予算が不足していて、中国を刺激する可能性があるほか、韓半島の平和を脅かす恐れがあるとして、否定的な姿勢を示しています。