鬱陵(ウルルン)島付近の東海で、漂流していた北韓の漁船が韓国の警備艇に救助され、乗っていた男性3人のうち、亡命を希望している2人について、北韓の朝鮮赤十字会中央委員会は5日、2人を韓国が不当に抑留しているとして、無条件の送還を改めて求めてきました。
これは、北韓の朝鮮中央通信が5日、朝鮮赤十字会中央委員会の報道官の談話として伝えたものです。
このなかで、北韓は、「我々は、南朝鮮に対し、遭難した我々の船員3人と船を即時送還するよう要求したが、南朝鮮は、1人だけを板門店を通じて送還し、2人は不当に抑留している」と非難しています。
また、「即時に送還しない場合、我々は、すでに警告したように、断固として対応し、そこから引き起こされる重大な結果については、南朝鮮当局が全面的な責任に追うことになるだろう」と警告しました。
韓国は、北韓の漁船に乗っていた男性3人のうち、北韓への帰還を希望していた1人を3日に板門店を通じて北韓に送還し、韓国への亡命を希望している残り2人については、関係当局の調べが終わり次第、韓国社会に適応するための教育施設に入所させることにしています。
亡命を希望している船員2人については、北韓が3日、板門店で対面できるように求める内容の朝鮮赤十字会名義の通知文を送ってきていますが、韓国政府は、「2人を北韓に送還することや、板門店に連れていくことも、人権保護の面で問題がある」として、要求に応じない姿勢を示しています。