旅客船沈没事故の報道をめぐって、大統領府青瓦台からの圧力を受けて報道内容に介入したとする疑惑が持たれていたKBSの吉桓永(キル・ファンヨン)社長について、朴槿恵(パク・クネ)大統領は解任を承認しました。
これは、青瓦台の関係者が10日、明らかにしたものです。
それによりますと、KBS社長を任命し解任する権限は大統領にあることから、朴槿恵大統領は10日午後、KBS理事会が提出していた解任要求を承認したということです。
これによって、吉社長は就任1年7か月で解任され、理事会の要求で解任された2人目のKBS社長となりました。
KBSでは、旅客船沈没事故の報道をめぐって、吉社長が大統領府青瓦台から圧力を受けて繰り返し報道内容に介入したという疑惑が持ち上がり、報道本部の本部長ら幹部職員300人あまりが社長の退任を求めて役職からの辞意を表明したほか、報道記者らが先月19日から番組制作を拒否し、さらに2つの労働組合が先月29日からストライキに入っていました。
こうした中で5日に開かれた理事会には、与党側推薦の理事7人と野党側推薦の4人の11人全員が出席し、吉社長に対する解任案を賛成7反対4で議決し、ストライキは解除されました。これに対して吉社長は9日、理事会の議決は無効だとする訴訟をソウル南部地方裁判所に起こしていました。