旅客船セウォル号の沈没事故をめぐる乗員15人に対する裁判の初公判で、事故原因の一つとして指摘されている急激な右旋回について、3等航海士の弁護士が「衝突を避けるためだった」ことを明らかにしました。
この裁判は、旅客船沈没事故で、乗客の避難誘導を十分に行わなかったとして、船長ら4人が未必の故意による殺人罪で起訴されているほか、ほかの乗員11人も遺棄致死などの罪に問われているものです。
この裁判の初公判が10日、光州地方裁判所で開かれ、事故直前に操船を指揮していた3等航海士の弁護人が、事故原因の一つとして指摘されている急激な右旋回について意見を陳述しました。
このなかで、この弁護人は、「前から船が近づいてきていたため、衝突を避けるため、右方向に5度舵を切るよう操舵手に指示したが、操舵手が舵を切り過ぎたため船が傾いた」と主張し、3等航海士の罪状を否認しました。
沈没したセウォル号の急な右旋回をめぐって、検察は事故海域が済州島に向かうために旋回する必要のある地点だとしているのに対し、海洋水産部では、旋回地点ではないとする見方を示して、事故原因の一つに考えられていて論議を呼んでいました。