旅客船の沈没事故で犠牲となった高校生の母親が11日、国と船の運航会社を相手取り、事故による精神的苦痛に対する、とりあえずの賠償として、3000万ウォン、およそ300万円の損害賠償を求める訴訟をソウル中央地方裁判所に起こしました。
訴訟を起こしたのは、旅客船「セウォル号」の沈没事故で犠牲となった高校生の母親です。
訴状によりますと、沈没事故の原因について、「無理な改造と乗員の過失、貨物の過積載などが重なり、急激に復原力を失って沈没した」と指摘し、国と運航会社の清海鎮海運に対し、精神的な苦痛に対する損害賠償として、3000万ウォン、およそ300万円の支払いを求めています。
提訴したことについて、この母親は、「修学旅行に出かけた息子が理不尽な事故で亡くなり、その精神的な苦痛は言葉で言い尽くせないことは、誰がみても明らかだ」と強調しています。
また、この母親は、息子が生きていれば、生涯得られたはずの収入として、およそ3億ウォン、精神的な損害に対する賠償額として6億ウォンの合わせて9億ウォンを念頭に、とりあえず3000万ウォンを請求し、今後請求金額を増やしていくとしています。
旅客船沈没事故の遺族が国を相手取って訴訟を起こすのは初めてです。